2010年 07月 23日
聞きに来られなかった方、いずれ動画をYouTubeにアップしますのでしばしお待ちを。
講演後、何人かと話していて、こういう質問が出た。
質問の趣旨はこうだ。
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例えば学生がこう言ったとしよう。
「自分の手でものをつくるのはすばらしいと思う。自分もデザインとかアートとか関係なく自分の感性のみを信じてものづくりがしたい。」
これにどう対応するか?
本当にものづくりのことを教えてしまったら、その学生はもうデザインの世界に戻ってこられなくなるのではないか? しかし、アートではまず食えない。
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なるほど、それはよくわかる。
大事な質問なので、この場を借りてお答えしたいと思います。
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僕はなにも羅針盤も舵も無い船で太平洋を渡れと言っているわけではありません。そんなことをしたら死んでしまいます。
だから、萌さんからの質問で「このまま自分も成り行きまかせで良いのでしょうか?」と問われた時に「ダメです。」と即答しました。僕の場合、高校の頃にはある意味ですでに人生を捨てていましたから何の迷いも無かったけれど、それは非常にリスキーだと思います。
しかし。「そうしなさい」とは言えないけれど、そういうリスクを背負ってでも自分を信じて純粋にものづくりをしたいという人、リスクを背負い犠牲をはらってでも、そうせずにはいられない人のために自分はこうして話をしています。そしてできるだけそういう人達のために「デザイン」の範疇で道をつけていきたいと思っています。
デザインよりもアートをやりたいという学生も時々います。しかし、この学科に入った以上デザインをやるべきです。間違えないでほしいのは「デザイナー」というのは職業の名前ですが、「アーティスト」とはその人の状態を指します。両立させてほしいと思いますし、この大学にはそれができる環境が今は整っていると思います。
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1時間半ではまだまだ話足りないが、詰め込みすぎ、端折りすぎて話が通じなかった部分もあると思う。次があるとしたら、もっと的を絞ってゆっくりと話したい。
Tauchi
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by ishou_keitai
| 2010-07-23 23:09
| イベント